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中国 民主の村は成功例なのか【禁聞】

2016年06月23日

中国 民主の村は成功例なのか【禁聞】

 

【新唐人2016年06月22日】

中国広東省陸豊の烏坎(うかん)村で土地の強制収用に反対する大規模な抗議事件が起こり、村長が直接選挙で選出されてから4年、中国民主の村と言われた烏坎村では依然として土地の返還が進まず、政府への陳情を計画していた村長の林祖恋氏がこのほど当局に連行され、住民数千人が抗議デモを行いました。現在、1000人以上の武装警察が同村を封鎖しています。

 

18日未明、烏坎村村長の林祖恋氏が収賄の容疑で当局に連行され、陸豊市検察院の調査を受けています。林氏は近々、住民を率いて政府に対し土地を返還するよう陳情を行う計画だったということです。

 

出稼ぎに出ている住民も村へ帰ってきて、林氏を支持する活動に参加しています。住民が新唐人に明らかにしたところによると、政府は1000人以上の武装警察官を派遣して村を封鎖しており、緊迫した状況だということです。

 

19日午後には数千人に上る住民が集まり、「土地を返せ」「村長を返せ」とスローガンを叫びながら約30分にわたりデモ行進しました。最多で3000人を超える人が集まりました。林氏の妻・楊珍さんが抗議集会で、21日に陳情を行おうと決議文を読み上げ、満場一致で採択された。

 

住民は香港のメディアに対し、林氏を釈放しなければ、政府のいかなる返答をも信用しないと述べました。

 

2011年、広東省陸豊市の沿岸にある小さな村、烏坎村で大規模な抗議事件が起きました。村の役人が違法に土地を売却しているとして、住民が数カ月にわたる抗議活動を行った結果、当局が妥協案を提示しました。中国では異例の村長直接選挙です。そして2012年3月、一人一票の選挙によって林氏が村長に当選しましたが、今に至るまで住民に土地は返還されていません。

 

林氏が政府に買収されたのではないかと疑う住民もいましたが、連行事件が発生し、林氏への疑いを解く住民もいました。

 

北京在住の人権活動家・胡佳氏は、中国共産党の統治下ではすべての土地は「党の土地」であり、人民に土地を有する権利の自由は与えられないと指摘しています。

 

北京在住の人権活動家・胡佳氏

「烏坎村は土地に対する公正な権利を求めてきましたが、もし政府が烏坎村の要求を少しでものみ、一定の権利を彼らに与えたなら、第二、第三の烏坎村、ひいては何万もの烏坎村が現れることを、政府は危惧しているのです。」

 

胡氏は、中国共産党が烏坎村の村長選挙結果を尊重すると言ったとしても、或は武力によって村を鎮圧するにしても、その目的はただ一つだと言います。

 

北京在住の人権活動家・胡佳氏

「烏坎村が直面している問題は中国のすべての農村が直面している問題です。もしも烏坎村がこの問題の突破口を開いたなら、それは共産党にとって、統治の仕組みや組織全体を瓦解することになり、何としてでも阻止しなければなりません。ですから、その可能性のある事柄はすべて鎮圧するのです」

 

かつて村長直接選挙の際、海外メディアは「奇跡」としてこぞって報道しました。烏坎村の住民の勝利であり、中国における民主闘争の模範であり、中国民主化への第一歩であると評しました。

 

しかし、4年の月日を経た今、「民主の村」と呼ばれた烏坎村は再び民主を求め闘わねばならない状況に置かれています。

 

北京在住の人権活動家・胡佳氏

「実際には烏坎村の住民の手に何の権利も返されてはいなかったのです。それは一時のことでしかなく、もしも権利を勝ち取ったと考えていたのなら、それは共産党の策略にはまり幻を見ていただけなのです。共産党がこの件で譲歩することは、ほんの少しもあり得ないのですから」。

 

アメリカの中国語雑誌『中国事務』編集長の伍凡氏は、中国の農村では農業の発展が著しく遅れており、住民の暮らしは困窮していると言います。もし烏坎村が抗議活動に勝利すれば、共産党の統治を脅かすと政府は心配していると言います。

 

アメリカの中国語雑誌『中国事務』編集長・伍凡氏

「国内では株価大暴落や経済悪化、巨額の資金の海外流出といった問題が噴出しています。また、北載河会議(注)の開催も控えた今、農村に抗議活動が広がることは避けたいのです」。

 

香港や外国のメディアは18日、烏坎村の住民の協力を得て現地で取材活動を行いました。

 

伍氏は、5年前、烏坎村で抗議活動が発生したニュースが逸早く国際社会の関心を集めたのは、地理的に近い香港メディアが素早く現地入りし報道したからだと指摘しています。今回同様の事態が起きないよう、当局は1000人を超す武装警察官を派遣し村を封鎖しています。

 

烏坎村はどうすれば真の民主を勝ち取れるのでしょうか。この疑問に対し、胡氏は、最も基幹にある組織から始めてすべての組織から共産党を徹底的に排除し、違法な権力機構である党委員会といった組織に人民の権利を侵させないようにしなければならない、と答えました。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/06/21/a1272360.html(中国語)

(注)北載河会議:中国共産党の現・元最高幹部による非公式の重要会議

(翻訳/白白 映像編集/李)

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